無線機の通信距離を機器別に紹介

無線機の通信距離は、電波の種類や出力の強さによって、近距離・中距離・長距離の3つに分けることができます。

まず、近距離で通信するのに向いている無線機としては、「特定小電力無線機」や「WiFiトランシーバー」・「Bluetoothトランシーバー」など、出力が小さく手軽なもの。

中距離で利用するなら、「デジタル簡易無線機」や「業務用無線機」など。

そして長距離では、「IP無線機」、「PoCトランシーバー」や「衛星通信トランシーバー」といった無線機があります。

この中から、ここでは今おすすめの無線機を取り上げてみましょう。

短距離の通信なら「特定小電力無線機」

「特定小電力無線」は「特小」と略して呼ばれ、ごく限られた数百ｍ程度の範囲をカバーする無線機のこと。

短距離しか使えない代わりに、面倒な手続きや免許も必要なく、購入すればすぐに使うことができます。

ただし、法によって、その周波数や用途は規格ごとに事細かく定められています。

周波数は、315MHz・400MHz・920MHzなど。

• テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用
• 医療用テレメーター用
• 体内植込型医療用データ伝送用及び体内植込型医療用遠隔計測用
• 国際輸送用データ伝送用
• 無線呼出用
• ラジオマイク用
• 補聴援助用ラジオマイク用
• 無線電話用
• 音声アシスト用無線電話用
• 移動体識別用
• ミリ波レーダー用
• 移動体検知センサー用
• 人・動物検知通報システム用

中距離の通信なら「デジタル簡易無線機」・「業務用無線機」

「デジタル簡易無線」は機種によって電波の強さが異なりますが、概ね1～10km程度の距離で通信できる無線機です。

強力な電波を発するため、使用する前に簡単な登録や免許申請が必要です。

「デジタル簡易無線」は資格を必要としない一方で、機種によってはさらに広範囲をカバーできるものもある「業務用無線機」を使用するためには、免許の申請とともに資格を要します。

長距離の通信なら「IP無線機」

「IP無線機」は、携帯電話の回線を利用して送受信を行う仕組みになっており、音声はパケットデータに変換されます。

通信距離は日本全国をほぼカバーしており、携帯キャリアの電波が入る場所であればどこでも通信可能です。

野外や広い会場で行われるスポーツや、複数の施設をまたいで実施される大規模イベントなどで使用しても、電波が遮られないという利点がIP無線機にはあります。

しかも、IP無線機は免許の申請が不要です。

誰でもすぐに利用可能なことから、大規模イベントだけでなく、さまざまな業種が導入しやすいと言えるでしょう。